ラテンアメリカ/ラテンアメリカと地域区分

ラテンアメリカに関する雑談をする機会が少しづつ増えてきた。
そもそもラテンアメリカとは正確にどこなのか、そう呼ばれた由来について(wikipediaで調べたらすぐに出てくるが)まとめておきたい。
また、ラテンアメリカは広域のエリアを指すが、その中でも細かい地域区分がある。例えば、耳なじみがある”中米”も地域区分のひとつだが、他にもインド・アメリカやメソアメリカ、アンデス地域やラプラタ地域等様々な地域区分がある。ざっくりと地域区分についても知ると楽しいので、自分自身の復習も兼ねて書き留めておきたい。

-ラテンアメリカ
19世紀後半になって使われるようになった比較的新しい呼び方である。
ラテン人とは、そもそも古代ローマ人やその末裔にあたるイタリア、スペイン、ポルトガル、フランス等の人々を指すことが多い。ナポレオン三世時代のフランスがメキシコを支配した1860年代にフランスが、当時中南米の多くの地域をスペイン、フランス、ポルトガルによって植民地とされていたことから、そのラテン性を強調するためにラテンアメリカと呼び始めた。日本で使われる中南米はアメリカより南側全体を指す地理的概念であるのに対し、ラテンアメリカは文化的概念から生まれてきている。そのため、南アメリカ大陸北東部に位置するガイアナやスリナム、ベリーズは含まれないこともある。

-中米・中央アメリカ
グアテマラ、ベリーズ、エルサルバドル、ホンジュラス、ニカラグア、コスタリカ、パナマの七か国から成る地域を指している。その中でも、独立の過程が極めて異なるベリーズ、パナマの二か国を除いて中米五か国という表現が使われることもある。また、地理学的にも植民地時代の発展過程からみても、カリブ海に浮かぶ島国と共通する特徴を有しており、中米・カリブ海域という表現が使われることもある。

-メソアメリカ
メソアメリカ文明圏を示す文化領域をさす。地理的にはメキシコ中央高原の北端からコスタリカ北端の一部までを指している。文化領域のため、例えばコスタリカを見るとメソアメリカに含まれるエリアとそうでないエリアがある。メソアメリカ文明は、ドイツ生まれの人類学者であり地理学者であるパウルキルヒホフにより提唱された概念である。端的に説明しようとすると、”共有的な特徴を持った農耕民文化や高度文明が反映した文化領域”と言えるらしい。聞きなじみのあるマヤ文明やアステカ帝国もメソアメリカ文明に含まれる。

-アンデス地域
アンデス山脈地帯に位置するベネズエラ、コロンビア、エクアドル、ペルー、ボリビアの六か国を一般的には指す。アンデス地域は、先住民と混血人口が多い。その中でも、エクアドル、ペルー、ボリビアは人口の50パーセント前後を現在でも先住民人口が占める国である。

-インド・アメリカ
アンデス地域の中でも特に先住民人口が多いエクアドル、ペルー、ボリビアの三か国に、中米に位置し人口の40%以上がマヤ系先住民であるグアテマラを含め、インド・アメリカと呼ばれることがある。

-ラプラタ地域
ラプラタ水系流域に位置するアルゼンチン、ウルグアイ、パラグアイの三か国から成る。ラプラタ水系流域は、ウルグアイ川、パラグアイ川、パラナ川等の河川をはじめとする巨大な水系である。ラプラタ川の河口部は南大西洋に接し、ウルグアイの首都モンテビデオやアルゼンチンの首都ブエノスアイレスがあり、歴史的にも産業的にも重要な役割を果たしてきた。

-ユーロアメリカ
ラプラタ地域の中でも特にヨーロッパの移民を多く受け入れたアルゼンチンとウルグアイは、ユーロアメリカと呼ばれることがある。

今回まとめたラテンアメリカの地域区分は、も一端に過ぎないかもしれないが、代表的な部分は大方触れることができたと思う。最近世界史を改めて振り返ることが重要だと感じているので、少しづつラテンアメリカに関して興味のあることを書き留めていけたらと思う。

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